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山と木々に囲まれた場所で、山歩きを楽しみながら暮らしたい。

登山がご趣味のF様は、山と木々に囲まれた理想の山荘を長年検討してきました。60歳で定年を迎え「仕事はやり尽くした。これからは大好きな山で暮らしたい」とキッパリとお仕事をリタイアし、八ヶ岳南麓にセカンドハウスを建てました。検討の過程や、八ヶ岳での暮らしについて、お話を伺いました。

※凡例

お施主様への質問

  お施主様のお話

聞き手のコメント・感想・注釈


F様は、生まれも育ちも富山県。雄大な北アルプスの大自然が、ほんの目の前にある場所です。

八ヶ岳に別荘を建てたきっかけについてお聞かせ下さい。

山歩きが好きだから、昔から北アルプスにはしょっちゅう行っていました。別荘を持ちたいと思った最初のきっかけは2002年頃かな。東京に転勤していた時、仕事仲間の八ヶ岳の山荘にお邪魔したことがあって。冬でスキーをしに行ったんですが、その時の八ヶ岳の自然と、別荘の雰囲気がとても気に入ってしまって。人里離れた場所で、鬱蒼とした木々に囲まれていてね。その頃から将来は山に囲まれた場所に家を持ちたいとずっと思っていました。

それから様々な土地を見て周り、理想の山荘を建てる場所を探してきました。

もう、何年もかけてね、いろいろな場所を探して周りました。自宅から近い富山はもちろん、立山の山麓や、向こう側の八方尾根なんかね。でもあの辺りは、冬は雪が積もるし天気が悪い。11月中頃から3月までは、1ヶ月に2〜3日しか晴れないんじゃないかな。それで、軽井沢とか、長野の飯綱高原、群馬の高崎なんかを見て回っているうちに、八ヶ岳の南麓辺りは、沿岸部以外では国内で一番日照時間が長いということを聞いたんです。
奥様:私は山登りはしないんですけど、主人に連れ回されていろいろな場所を見ているうちにね、だんだんと、自然や木々に囲まれた生活もいいなと思うようになってきました。主人はずっと、山で暮らしたい、木に囲まれて暮らしたいと言っていましたから、私も一緒に土地を探すのが楽しくなってきて。
ご主人:妻と相談して、「近くに良い山がたくさんあること」、「年間を通して天気の良いところ」、そして「木々に囲まれた場所」の3つに条件を絞って、探すようになりました。それで行き着いたのがこの場所でした。

土地をご紹介したのは、オルケアの伊藤でした。

八ヶ岳がいいなと思って、いくつか候補を絞っていたんです。でもそれが本当に良い土地なのか判断がつかなくて悩んでいました。この辺りを車で走っていたときに、ふとオルケアさんの看板が目に入って、「土地の相談にも応じます」と書いてあるのが目に入りました。それで飛び込んでみたんです。

応対させて頂いたのは、当時広報を担当していたオルケアの進藤です。「季節のお便り」の写真や、インスタグラムでご紹介している「八ヶ岳の風景」の写真を撮っています。

八ヶ岳の土地は千差万別

進藤さんがとても丁寧に、誠実に対応して下さり、それが非常に好印象で、すぐに代表の諸角さんとお会いすることにしました。その翌日には、伊藤さんが候補としていた土地を見に行ってくださいました。後日、その土地の良い点・悪い点を隈なく説明してくださいました。その後、私の要望を聞いて、新しくいくつかの土地を紹介してくださったんです。

伊藤が紹介した土地の中で、この場所が見つかりました。

10箇所くらい、案内してもらいました。そしてこの場所が一番気に入りました。土地の好みは人それぞれですが、私たちは鬱蒼とした木々に囲まれた場所が良かった。でも、あんまり木が多いと、家の中も暗くなってしまうとか。木の樹液がついて屋根や壁が痛むこともあるとか、そういうアドバイスも頂いた上で、相談しながら決めました。

建築を、オルケアに決めて頂いた理由についてお伺いしました。

土地を紹介してもらったのがきっかけですが、お話を聞いているうちに確かな経験と技術のある会社だと思いました。あとは、オルケアさんの事務所の屋根がとても格好よかったから、あの片流れのね。同じ屋根にしてほしいなと思って。きっと良い提案をして頂けるだろうと思いました。

オルケア事務所の片流れの屋根

お引き渡しまでの経緯について教えてください。

まず、基本的なコンセプトをお伝えしました。セカンドハウスで、山小屋というイメージ。それから、もしかしたら将来、こちらに半分定住という形になるかもしれないので、その時に困らないような間取り、部屋の大きさなどを考慮してほしいとお伝えしました。たくさんのプランや提案をキャッチボールさせてもらって、固めていきました。
諸角さんからは、本当にいろいろな要素を考慮して提案して頂きました。住む人の生活に対する考え方、仕事のしかた、趣味などのコミュニティ、将来のライフプランなど、あらゆることを踏まえた案をもらえたので、すごくありがたかった。

具体的に伺いました。

例えば、今は2階に寝室があります。でも、歳を重ねて階段を登るのが辛くなったら、1階にベッドを置きましょうということで、それが可能なように間取りを考えてもらいました。そうなると、生活動線が変わります。それで不便が発生しないように、1階が寝室になった時の動線を考えて、壁を抜いてリフォームできるようにつくってあります。

2015年の1月頃、ご契約を頂いて本格的に検討を始めました。それを振り返ってご主人がおっしゃいました。

あれ、そんなにかかったんだっけ。着工が2016年の3月で、その年の年末に引き渡しだったから、確かにそうですね。今考えると、思いのほか時間をかけたんだなぁと感じます。

時間が短く感じられるほど、濃密に検討を重ねたということかもしれません。

現在のお住まいについて、気に入っている部分を教えてください。

このあたりは標高1,000メートルで、冬場は相当冷えると聞いていましたけど、そこはオルケアさんの建築だから、暖かいですね。1年中来るから、もちろん水抜きがいらないようにしてもらって。冬でも「寒い場所にいる」ということを忘れるくらい暖かいです。
ストーブを焚くとね、暑いくらいです。返って暑くなりすぎることもあって、窓を開けて外の空気を入れるくらいです。物理的な性能はもちろんですが、部屋の間取りや空間の使い方など、デザインにも随所の工夫があるからこそ、快適な環境に整うんだと思います。先ほどお話した「ライフステージを踏まえた」レイアウトにも、とても満足しています。

家具には、ご主人の趣向が反映されています。

奥様:ピカピカのものじゃなくて、少し傷んだ風合いというか、使い古したものが主人は好きなんです。好きなものや気に入ったものに囲まれて暮らすのが、一番ですよね。

お部屋の至る所には、さりげなく花が飾られています。奥様のご趣味と伺っていました。

ご主人:妻の趣味でね。ミニギャラリーというか、外から見える場所に飾りたいなと思って、スペースを作りました。最初は奥側の隅の区画の方が、木がたくさんあって良いかなと思ったんですが。これが外から見えるように、道路側の区画を選びました。

リビング脇のお部屋には作業台があり、奥様手作りのチューリップの花が飾られていました。

リビング隣のお部屋の作業台。

奥様:もう45、6年やっているんです。これからは八ヶ岳に咲く野花も作りたいです。樹脂粘土で…

…え!、樹脂粘土…?

言われるまで全く気が付きませんでした。奥様のご趣味は生花ではなく、クレイフラワーという、樹脂粘土で作る造花でした。

どこからみても本物にしか見えない クレイフラワーの露草(ツユクサ)

八ヶ岳南麓の魅力や、日々の暮らしの中で楽しみにしていることを教えてください。

奥様:この家を建てるとき、木を伐採したんです。切った木を捨てないで、薪にしようと残しておいたんですけれど、主人が薪割りに夢中になってしまって。ここに来るたびにね、本当に嬉しそうな顔をして薪を割るんです。
ご主人:チェーンソーで切ってね、オノで薪を割るのが楽しくて。どんどん溜まっていくでしょう。これがなんとも嬉しいんです。財布の中のお金が増えると、なんだか安心しますよね。、薪がたくさん蓄えてあると、それと同じような気持ちがするんです。。

別のお施主さんからも、同じことを聞いたことがあります。何かの真理かもしれません。

奥様:あんなに、「山、山」と言っていたのに、山に行かないで薪割りばっかりしていることもあって。でも、山にいく時と同じくらい良い顔をしていたから、きっと本当に楽しかったんだと思います。山荘ができて、最初の年は薪割りばっかりやっていましたね。

翌年、ご主人が体調を崩されてしまいました。

ご主人:病気になってしまってね、難しい手術をしたんです。素晴らしい山々に囲まれた八ヶ岳に別荘を建てて、さぁこれから山歩きを思う存分楽しもう、という時でしたね。薪割りばっかりやっているうちにね。
奥様:でもね、病気の後だったら、ここに家を建てていないかもしれない。逆にここがあるからこそ、主人も順調に回復しているような気がするんです。
ご主人:今はね、周辺の日帰りで行ける山へ行くのが一番の楽しみです。一番よく行くのは飯盛山です。登山口まで車で30分、山頂まで往復2時間ほどで、ちょうど良い。天女山、編笠山、西岳、入笠山、日向山。八ヶ岳には、日帰りで楽しめる比較的低い山がたくさんあるのがよかった。病後の療養には、最適です。
奥様:病後の療養というよりね、トレーニングをしているんでしょう?
ご主人:そうだね、低い山に登って少しずつ体力を元にもどして。来年か再来年には、赤岳や南アルプスの山々にも、また行けるように。

再び存分に登山が楽しめるよう、トレーニングに励むご主人。それを本当に嬉しそうに見守る奥様です。

奥様:八ヶ岳にきているとね、主人はすごく元気なんです。富山にいるときよりも、ずっと顔色が良くて、回復も早いんじゃないかって思います。山に行かなくてもね、近くの林の中を少し散歩するだけで、すごく良い表情で帰ってくるんですよ。
ご主人:林の中を歩くと、免疫が高まるのかもしれないね。山に行かなくても、木々の中を歩ける場所がすぐ近くにあるというのは、本当に恵まれているね。野菜も新鮮で美味しいし、ここで暮らしていると確かに、元気になっていくような気がします。

八ヶ岳で暮らし始めて、困ったこと、予期しなかったことなどはありますか?

市街地に比べると、スーパーの数はあんまり多くないかな。基本的には、まとめ買いが必要になると思います。車で10分も走ればなんでも買えますけどね。
ご主人:あと予想外というか、予想できたことなんですが…、最初にきた時は、ここの敷地にはまだひとつも家が建ってなかったから、もっと鬱蒼とした林の中みたいな場所だったんです。それが、もちろん我が家もそうなんですけど、家を建てるために木を伐採するでしょう。重機を入れたりするのにも、邪魔になるので。それが、2〜3の家が建ってくると、随分と木が少なくなっちゃたなぁって。
奥様:当たり前なんですけどね。主人は少しがっかりしたみたいです。でも、いま庭に木を植え直しているんです。オルケアさんに庭師さんをご紹介頂いて。家が建つ前と同じにはならないでしょうけれど、木が成長してくれば雰囲気は戻ってくるかもしれません。

お二人とも本当に楽しそうにお話してくださいます。

ご主人:隣に突然おおきな太陽光パネルの設備ができちゃって、すっかり雰囲気が変わってしまったという話も聞いたことがあります。家の周りの環境が、将来どんな風に変化するのか、そういう可能性があるのかというのは、あらかじめ分かっておいた方が良いですね。

インタビューを終えたあと、F様よりお誘いがありました。

もうお酒飲めるようになったので、諸角さんに言っておいてよ。先日は予定が合わなかったけど、次回は行くから。

二人は、日本酒愛好家で結成した「八ヶ岳 日本酒の会」の会員だそうです。八ヶ岳でどんどん元気になって、日本酒のみならず山登りもご一緒させて頂ける日を、楽しみにしています。

※当インタビューは2019年8月に行われました。文章・写真は全てお施主様のご承諾を頂いた上で掲載させて頂いています。