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周囲を山々に囲まれた、自然を身近に感じられる最高の場所

キャンプと自然が大好きだというT様ご夫妻。2008年に土地を購入し準備を始め、2011年から1年以上をかけてプランを練ったお家は、オレンジの屋根が目を引く50坪のログハウス。埼玉との2拠点生活は今年で7年目になります。八ヶ岳の魅力や、八ヶ岳の生活について、インタビューさせて頂きました。

※凡例

お施主様への質問

  お施主様のお話

聞き手のコメント・感想・注釈


八ヶ岳に移住することとなったきっかけについてお聞かせ下さい。

清里のあたりには東京の自治体が持っている山荘がいろいろあります。私は東京の府中市の出身なんですが、府中市も清里に山荘を持っていて、小学校の時の林間学校は清里の牛首山でした。だから八ヶ岳には昔から親しみがありました。

昔からキャンプと釣りが大好きだったというご主人。ご結婚して埼玉に引っ越してからは、毎週のようにキャンプ場に通っていました。

毎週末、キャンプに行って渓流釣り。当時は埼玉に住んでいたので、群馬のキャンプ場です。毎週来るから、キャンプ場の支配人の方とも仲良くなって。そうしたら「荷物置いて行っていいよ」って言ってくれるので、キャンプ道具を倉庫に置かせてもらっていました。本当はイケないんですけどね。

ご夫婦で毎週通ったと言うキャンプ場。この時お世話になった支配人が、八ヶ岳にセカンドハウスを建てるきっかけになりました。

今ではもう長い付き合いなんですが、支配人もキャンプが大好きで、好きがこうじてキャンプ場に勤めていた人です。その方がもうそろそろ定年になるというころ、「八ヶ岳に引っ越そうと思う」と打ち明けられました。以前から八ヶ岳に憧れがあったそうです。それを聞いたらこっちも火がついちゃいました。一緒に八ヶ岳で土地を探し始めたんです。彼はすでにこちらに移住して、この近くに住んでいます。建築はオルケアさんで、それがきっかけで私たちもオルケアさんにお願いすることにしました。

八ヶ岳南麓の、魅力はなんでしょうか?

まず一番の魅力は景色ですよね。山々に囲まれて。正面には南アルプス、ちょっと上に上がると富士山が見える。反対は八ヶ岳で、東を見れば瑞牆山と金峰山。景色が最高です。山々の自然に囲まれて、やっぱり心も体も癒されます。
気候については、寒暖の差がしっかりあるところが気に入ってます。季節の移り変わりを楽しめるので。ここは標高1,020mで、夏は涼しいのでクーラーは要りません。でも外に出れば日差しは強いですから、暑さを感じることができる。冬はとても冷えますが、しっかりと体で寒さを感じられるのも良いですね。冬は人も少ないですし、静かで自然をより近くに感じられます。

アクセスの良さも、重要なポイントです。

山梨は東京の隣なんですよね。私の出身の府中市からは、中央道ですぐ。アクセスは抜群です。埼玉からは少し行きづらかったですが、圏央道ができたので随分アクセスは良くなりました。金曜日の夜にこちらに来て、月曜日の朝に帰るということもありますから、アクセスはとても重要。この距離で、これだけ自然豊かで過ごしやすい場所というのも、八ヶ岳の魅力のひとつです。

八ヶ岳の日々の暮らしの中で、楽しみにしていることを教えてください。

自然を感じられるのが、何よりの楽しみです。東京にいると、雨の日は出かけるのやめようかなって思うけれど。こちらにいると、雨は雨で、また良いんですよね。八ヶ岳にいると、「雨だから外に出よう」という気持ちになる。梅雨の時期は、オススメですよ。シトシトと降る密度の濃い霧雨を、デッキからじっと眺めたり。雨の降り始めに空気に広がる緑と土の匂いも、気持ちいいですよね。雨音も、楽しみの一つです。都会の雨は平坦な音にしかならないけれど、自然の中で草木に当たる雨粒は、いろいろの音色を楽しませてくれます。

寒い冬場にも、八ヶ岳ならではの楽しみがあります。

冬の楽しみは薪ストーブですね。石油ファンヒーターとの違いは、温風で温めるんではなく、部屋全体をジワーっと温める優しい暖かさ。体の芯がグッと温まる気持ち良さは、他には代えられないです。薪って不思議で、いっぱい溜めておくと何故か心が安心するんです。薪小屋にいっぱい薪を溜めて、これでこの冬は安心だぞっていう。薪を割って、薪小屋に溜めておくのも密かな楽しみなんです。

渓流釣りが趣味だというご主人。趣味の拠点としても、八ヶ岳は絶好の場所です。

以前は、夜明け前の3時頃から渓流釣りに行ってね、午前中に戻ってきて芝刈りをしたり。最近はあんまり行けていないけれど。山にもたまに行きます。先日(8月初旬頃)は日帰りで、白駒池・麦草峠から高見岩とか、中山峠とか、ぐるっと回って。8時間くらいですかね。気持ちいいですよ。

週末は八ヶ岳で過ごすという生活は、生活の「オン・オフ」のメリハリを生みました。

平日は一生懸命に仕事をして、週末は「八ヶ岳に帰る」という感じになりました。「オン」と「オフ」がはっきり切り替えられるようになって、週末は八ヶ岳でしっかりと「オフ」にする。ちゃんと休むことで、仕事に対しても良い影響があると思います。

現在のお住まいについて、気に入っているところを教えてください。

土間を広くしたかったんです。子供の頃、母の実家にいくと広い土間があってね。そういうのが好きだったので。それから、生活の中に「外のような中と、中のような外」が欲しかった。「外のような中」というのはこの土間のことで、「中のような外」というのは奥のデッキです。ずっとキャンプをしてきて、山荘を持つなら、「外と中の使い分けができる生活」がしたいと思っていました。昼間は外で野外料理をして、暗くなったらテントの中でくつろぐ、というような。

「外と中を使い分ける」。八ヶ岳の別荘ならではかもしれません。

暖炉を置いた土間。「外のような中」。

「中のような外」として使うデッキテラス。夏場のバーベキューはこちらで。

お話を聞いていると、本当にキャンプが好きで、自然の中での生活を楽しんでいることが伝わります。

外観も気に入ってます。来てくれた人を、この家がどんな面構えで出迎えるか。最初の印象には気を使いました。オレンジ色の瓦は、愛知県の三洲瓦。職人さんが、一枚一枚の微妙な色の違いを見ながら瓦を並べてくれるので、個性が出ます。

敷地全体をひとつの建築と考え、外構やお庭、アプローチや建物の外観なども含めてデザインを施すのは、オルケアが常に意識しているランドスケープデザインです。

ここの庭は、最初は草がボウボウだったんです。草刈りが大変で、草刈りをすると土間の中に入ってくる細かい土にも困っていました。八ヶ岳の土って、黒くて細かくて、すぐに部屋の中を汚してしまう。なので全部、芝生にすることにしました。芝の管理も大変だけれど、土の悩みはなくなったし、最近庭の木にかけた餌箱には野鳥が集まってくるようになって、楽しみが増えました。

そうして作った芝の庭を、玄関先から眺めるのが大のお気に入りだと、奥様が教えてくれました。

奥様:玄関のバルコニーに、机と椅子を持ってきてコーヒーを飲むのが、最近の主人のお気に入りなんです。ここ、犬小屋を置こうと思っていたんですけどね。
ご主人:ここに座って辺りを眺めるのが、近頃は日課で。今の時期(8月中旬頃)は、この場所が一番ちょうど良い塩梅なんです。周りが見渡せて、日陰で気持ち良い風が吹いて、通りがかった御近所さんに「おーい」なんて手を振ったりして。

最近ご主人がお気に入りのバルコニー

八ヶ岳で暮らし始めて、困ったこと、予期しなかったことなどはありますか?

特に困ったことはないです、想定通りというか。
いやでも、実はね。薪ストーブがちょっとちっちゃかったんですよねぇ。この家で唯一失敗したかなって思うのは、薪ストーブのサイズかな。ちっちゃかったぁ…。これはイントレピッドⅡというやつで、一番小型のやつなんですよね。本当はアンコールっていう、真ん中のクラスの薪ストーブがよかったんだけど、それだと暑すぎるんじゃないかという話で。

「失敗」と言いながらも、お二人ともとても楽しそうにお話を続けてくれました。

オルケアさんも、設計士さんも、アドバイスして頂いた方もみんな、このサイズが良いって言ってくれたんです。家の大きさに対して薪ストーブが大きすぎると、部屋が暑くなりすぎる。中には真冬なのに、家の中ではTシャツ半ズボンでちょうど良いという人もいて、薪ストーブの力ってすごいんです。だから、ちょうど良い大きさを選ぶのがとても難しい。うちの場合はやっぱりちょっと、小さかったかなぁ。。暖かくなるのに時間がかかるんです。

お家の大きさに対してちょっぴり小さかった薪ストーブも含め、この家が気に入っているという思いが伝わります。

薪ストーブは小さかったけど、この家はオルケアさんの建築なので、床暖房が入っていて、土間の下からは蓄熱暖房機の温風が出るんです。冬場は、深夜の電気料金が安い時間帯に自動的にスイッチが入って、室内全体を8°Cに維持するシステムが入っている。だから、冬でも凍らない。普通は、水抜きをして出なきゃいけないし、家もすぐに暖まらないですけど、この家は冬に来てもすぐに水道が使えて凍えることがない。冬も通して1年中山荘を使おうと思ったら、このシステムは必須だと思います。

これから八ヶ岳に家を建てようと計画している方へ、何かアドバイスはありますか?

土地を探す際に、敷地に到る道については確認した方がよいと思います。八ヶ岳は雪国ではないけれど、冬は東京が雨でもこちらは雪になります。30cmくらいならまだなんとかなりますが、50cmくらいになると雪かきが大変。ここの正面の道は公道だから、翌日には除雪が入るんです。でも、ひとつ奥に入る砂利道なんかは除雪が入らないから、自分でやるしかない。

土地の、水捌けの良さも重要だと言います。

八ヶ岳は、伏流水(地下水)が多いんです。ちょっと掘ると水が出る。場所によってはすごく水捌けの悪い場所もあります。大雨の日に、道に水が流れて、砂利道なんかだと車も通れないくらい深くエグれたりすることもあるんです。だから、土地を買う時に尾根沿いの地形を探しました。この土地は、私たちが最初に見に来たときは、誰も買わないようなうっそうとした森だったんですが、道路や水捌けなど気になる条件をクリアしていて、オルケアの伊藤さんに相談したところ「ここがいい」と言ってくれたので、決めました。上下水道が入っているのもポイントでした。

生活面での不便や不都合はありますか?とお聞きしました。

生活面での不便はまったくないです。この辺りはお店も多くて、一通りなんでも揃っています。強いて言えば、今は週末しか来れないので、食材の買い方や保存の仕方に工夫が必要な面はあります。でも、仕事が終わったら八ヶ岳に移住する予定です。それからがまた楽しみです。

じっくりと土地を選び、検討を重ねて設計・デザインしたログハウス。ご定年後にもまた新しい楽しみが待っています。

※当インタビューは2019年8月に行われました。文章・写真は全てお施主様のご承諾を頂いた上で掲載させて頂いています。