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更なる耐震性を求めて ー金物工法とはー

前回の記事では、家の強度を測るために重要な構造計算について説明しました。

▼前回の記事はこちら 【簡単解説】構造計算の実態と重要性について

今回は、より建物の強度を高めるためにオルケアが採用している
金物工法について解説していきます!



この記事を読んでわかること

  • 金物工法の概要
  • 在来工法の欠点
  • 金物工法のメリット


– 目次 –

  1. 金物工法とは
  2. 金物工法の強さの理由
  3. 接合部の重要性
  4. まとめ




■金物工法とは

「金物」(かなもの)とは、金属製の部品のことで、
金物工法は、柱や梁などの部材の接合部分に金物を取り付けた工法のことです。
金物を取り付けることで接合部の強度を確保し耐震性を高めることができます。

世の中には様々な金物工法がありますが、
オルケアではHSS工法やストローグといった金物工法を多く採用しています。

金物工法はいわば「木材の鉄骨」のようなもので構造的強度が高く耐震性に優れているのが特徴です。


■金物工法の強さの理由

金物工法がなぜ耐震性に優れているのか、その理由を在来工法と比較して説明していきます。
在来工法(木造軸組構法)の接合部は、柱や梁などの部材の片方をくり抜き、
もう片方の先端を細くしてその突起部分を差し込む方法(仕口や継手加工)でした。

しかし、この方法には致命的な欠点があります。
それは断面欠損の多さです。

断面欠損とは、部材の断面の寸法が小さくなることです。
基本的に断面欠損は少ないほうが良いのですが、接合部分はどうしても断面欠損が生じてしまいます。
断面欠損が大きいほど部材の耐力が落ちてしまうのですが、
在来工法の接合部は構造材をくり抜くのでどうしても断面欠損が大きくなってしまいます。

断面欠損によって柱の強度は半分以下まで落ちてしまいます。

対して、HSS金物工法の場合は特殊な金物を使うことで断面欠損を最小限に抑えることができます。

イメージのように柱の中に金物が通っており、差し込む部分は突起部分のみなので、在来工法に比べて断面欠損が少なくて済みます。
柱と梁の接合部の強度は、在来工法の2倍以上です。

このように金物工法は、木造建築物の最大の弱点である接合部を金物に置き換えることで、
断面欠損を少なくし、接合部の強度を高めることができる工法
なのです。

その他にもメリットとして以下のようなものがあります。

  • 接合部のズレが小さく歪みにくいので、建物精度が高くなる
  • 金物は木造の内部に隠れるので木造の美しさが損なわれない
  • 金物は工場でセットされた状態で施工現場に届き、取り付けも容易なため工期を短縮できる

このように耐震性が強く様々なメリットがあるので、オルケアでは金物工法を採用しています。

■接合部の重要性

木造住宅の耐震性において、

  • 壁の中の筋かいや柱と梁がしっかりと接合されているか
  • 柱が基礎から抜け出さないか

といった接合部が重要なポイントになります。

木造住宅は壁・柱・梁が一体となって地震から耐える構造になっています。
しかし、接合部から柱や梁が外れてしまうと構造的に弱くなり、住宅が倒壊・大破してしまう危険性が高まります。
昔の建物は「釘を使わないことが良い」と言われていたように金物を使われることがあまり無く、
熊本地震の事例でも、耐震基準で規定されている接合金物を使用していない住宅が数多く倒壊してしまいました。
また、1995年に起きた阪神・淡路大震災で亡くなられた方々は、その死亡原因のほとんどが家が倒壊したことによる窒息死や圧迫死でした。

このように、住宅が倒壊しないようにする施工方法はとても重要であり、
木造住宅の最大の弱点である接合部分を金物で補強することは、
家・人命・生活を守ることに繋がる
のです。

また、従来の接合金物の中で、ホールダウン金物という柱が基礎から抜けないようにするための金物があります。
阪神・淡路大震災ではホールダウン金物が使用されていない住宅で全壊・半壊など多くの被害が出ましたが、
ホールダウン金物が使用されている住宅の被害は少ないものでした。

このようにホールダウン金物も耐震性に優れているのですが、この金物は柱芯からずズレた位置で基礎へ固定されます。
しかし、オルケアで多く使うHSS金物は柱芯に金物を設置するので、どの方向からの外力に対しても耐震性を発揮することができます。
このように細かな違いからもより強度の高い方法を模索し、耐震性の高い家づくりを心がけています。



■まとめ

  • 金物工法は、接合部の強度を確保し耐震性を高めることができる工法
  • 在来工法は断面欠損が多く、柱の強度が落ちてしまう
  • 木造住宅において接合部は家が倒壊しないようにするための重要なポイント

二千年前、古代ローマ時代の建築家・ウィトルウィウスが、

「強なくして用なし、用なくして美なし、美なくして建築ではない」

という言葉を残しているように、建物の強度は建築の基礎となる重要な部分です。
地震大国である日本だからこそ「地震に強い家づくり」をするには、
こうした接合部の工法にまで注視して家づくりをおこなっていくべきだと思います。