中古住宅の評価基準
オルケアの車両で新車購入は後にも先には軽トラックだけ。あとは全て中古車だ。私も14年前の会社設立から中古車を乗りついでいる。中古車選びは伊藤が全て担当。幸い無類の車好きで中古車ディーラーレベルの厳しい目と情報収集力で選定してくれるのでハズレは一台もなく、いつも満足している。中古車選びのノウハウは、今年7月5日の伊藤のブログで触れているので参考にして頂ければと思う。
中古車の買い方 | オルケアブログでは中古住宅はどういう基準で格付けと言うか、値段と性能の評価がなされているのだろうか?中古車と比較しながら今どきの中古住宅について少し検討してみたい。中古車の選定基準は順不同だがおよそ以下のようなものだろうか?
- 1. デザイン
- 2. 価格
- 3. 走行距離
- 4. 事故経歴
- 5. 燃費
- 6. 基本性能(エンジン容量/駆動方法:2WD/4WD/タイプ:乗用車/SRV/スポーツカー等々)
- 7. 年式(何年前)
中古住宅では、敷地の広さや利便性など土地の属性部分は除外して、建物だけで同じように対比すると、
- 1. デザイン
- 2. 価格
- 3. 内外装の傷み具合
- 4. メンテ履歴
- 5. 水道光熱費記録
- 6. 基本スペック情報(図面や建築申請時の書類等々)
- 7. 築年数
他の要素もあると思うし、中古車の要素と若干こじつけ気味かも知れないが、中古住宅選びの視点で4、5、6が欠落していることが多い。ネット情報検索に皆さん慣れていても、未だに土地が気に入り、建物がそこそこ気に入り、値段が決まれば、購入に至っているようだ。4、5を記録している方は少ない。オルケアでもお引渡しをさせて頂いたお客様で家のメンテを記録化している方は少ないと思う。
建物のメンテナンスマニュアル
オルケアでは新築のお引き渡し時に生活情報マニュアルという手作りの情報冊子をお渡ししているが、建物のメンテマニュアルのようなものはお渡ししていない。このブログを書いていて、この点は改善すべきと気づいたので、早速お引渡し時にマニュアルをお渡することにした。候補としては以下の二つの物が良いと思う。
一つは、財団法人住宅金融普及協会から良くできたお手入れマニュアルとして「住まいの管理手帳」が出版されている。
住まいの管理手帳150ページ程度のイラスト入りの冊子なので、時間のある時にパラパラとめくってみる程度でも役に立つ。
二つ目は、一般社団法人の工務店サポートセンター(JBN)が出している住宅履歴情報『いえかるて』と言う20ページほどの冊子だ。こちらはJBN会員対象で一般的な販売はしていないがオルケアも会員なのでお分けできるので、ご興味があればお問合せ下さい。
建築資料の重要性
6の図面等の書類の不足に関してはとても不思議な気持ちでいる。と言うのも、別荘の販売を依頼された不動産業者さん達も「どの程度の建築資料があるのか?」あまり売主さんと話をしていないように見えるからだ。同時に買主さんも購入時にその点を評価することが少ないのではないかと思う。我々が建物を評価するには最低以下の書類が必要だと思っている。
- 1. 設計図 配置図・平面図・立面図・矩計り図(『かなばかり』と読み建物の断面図のこと)・構造図(屋根+床+プレカット図)+仕上げ表
- 2. 構造計算書又は壁量検討書類
- 3. 建築申請手続き上の一連の書類 (工事届や確認申請書、検査済み証等)
- 4. 地盤調査書、瑕疵担保責任保険付保の証明書
- 5. 工事中見えなくなってしまう部位の写真記録
- 6. 設計者及び工務店が現在存在するか否かの情報
古い家の場合は4、5がないことが多いが、少なくとも上記1〜6について調べる心構えが必要ではないかと思う。他にも実際に中古住宅を見せてもらう時のチェックポイントがあるのだが、長くなりすぎるのでまたの機会に書いてみたいと思う。