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平常心って何だろう

今年の全英オープンが終わった。今度こそ日本人選手初のメジャーチャンプ誕生かと期待したが、残念ながら次回に繰り越しとなった。全英オープンはイギリスの夏の4大スポーツの一つだ。歴史の古い順に言うと、競馬、レガッタ、ゴルフ、テニスとなる。

全英オープンはイギリスの夏の4大スポーツの一つ

1711年にアスコット競馬場で始まった「ロイヤルアスコット開催」
1839年にテームズ川上流のヘンリーと言うところで始まった「ロイヤルヘンリーレガッタ」
1860年にプレストウィックで始まった「全英オープン」(正しくは「オープン選手権」)
1877年にウィンブルドンで始まったテニスの「ウィンブルドン選手権」

「英国で生まれたゴルフはアメリカでダメになり、日本が最悪にした」と言う評がある。「自然の地形を生かしてあまり手を入れないコースであるがままのボールを打っていく」ゲームだったのが、「自然とは程遠い人工的に綺麗に作ったゴルフ場」をアメリカで量産し、「会員権を投資の対象とし、お客をよいしょする接待ゴルフ文化」を日本人が作ったことを揶揄する評だ。

今回の全英オープンも最終日はスコットランド特有の曇天と雨、それに海岸から吹いてくる強風で昨日迄のスコアを維持するのがやっとだ。無理やり勝負に出る気持ちを抑えきれずに挑んでいくと殆どが脱落していく。良いスウィングをしても結果が出ず、思うようにならない時に、心がおれずに淡々とプレーしていく。元々卓越した技量の持ち主だけが集まっているので、精神力が大いに試される大会となる。大会が終わって、予選落ちが多かった日本人選手達だが「お疲れ様でした。さぞかし身も心もヘトヘトになったことでしょう」と伝えたい。

 

「平常心が大事だ!」自分でも偉そうに言ってしまうが、待てよ、「一体自分の平常心って何?」と思った。スポーツ選手が口にする平常心と言うのは、納得のいくパフォーマンスを練習場で出している時の普通の精神状態のことだ。目の前のことに一喜一憂せず、1ホール毎に終わったことは忘れて、気持ちを切り替えていくメンタルトレーニングをしっかり積んでいる。我々一般人は、慌ただしい日常生活で日が暮れる。穏やかな心持で朝を迎えたり夜を迎えたりしてきただろうか?

その生活のどこに平常心があるっていうのだろう?「ちっとやそっとでは動じない穏やかで強い心」は訓練が必要で、全英オープンを観戦しながら、自分の修行の足りなさを感じてしまった。