霧の朝
霧だ!
我が家の夏は東の森から日が昇り、木漏れ日が真横にさして庭を照らす。
森の中で真上から降りてくる木漏れ日が正統派だとすれば、こちらは瞬間芸のようなものである。
何故なら日が昇るスピードが速いので、この斜め木漏れ日はすぐに消えてなくなるからだ。
それでも急速に上昇していく太陽の力強さを感じたくて、毎朝かなり早く起きて外をぼんやり眺めている。
しかし、今日は霧の中!
真夏日が続く都会の方には申し訳ないが、標高960m程の我が家の夜は外気温が20度前後になるので、
日中の地熱とヒンヤリした外気との温度差で、偶に霧に包まれたような朝の景色を体験する。
おー霧だ!と思いつつ、「霧?」「靄(もや)?」「霞(かすみ)?」と迷った。
そこで、面倒くさがりやの性分で長年ほったらかしにしていた「霧」などの定義を調べてみた。
こういう時は抵抗しつつも最近手にしたスマホは便利である。
霧(きり)・靄(もや)・霞(かすみ)
「霧」は視界が1km未満、「靄(もや)」は1km以上10km未満だという。そして「霞(かすみ)」は気象用語としては使わないらしい。
一応納得!分かると人に教えたくなるオジサンだが、だが待てよと思った。
先が見通せない状態で1km未満か以上かはどうやって測るのだろうか?
「まー良いか!」とこの辺のあきらめも早いオジサンだが、
濃霧、朧、等々幻想的でもある視界不良の状態を、日常会話の中でも日本らしい情緒豊かな言葉で表現できるのはありがたいと思った。
クーラー要らずの八ヶ岳の夏。移り変わる自然の表情も楽しみのひとつ。
と、このブログを書いている内に、雲散霧消、南アルプスが少し姿を現し青空が見えて来た。
別荘をお引渡しさせて頂いたお客様が良くおっしゃることの一つが「八ヶ岳での睡眠が深い」。
クーラー要らずの夏の夜は日ごろの睡眠不足解消には大切な事ではあるが、
八ヶ岳の夏の早朝、自然界の表情の豊かな変化も是非堪能して頂きたいと思った。