公開日時:2019年11月18日(7時30分)
八ヶ岳の建設関係者には、未だに『気密なんて、ほどほどで良いんですよ。だって、タッパみたいな中で暮らしたくないでしょ』なんて言う人がいます。
八ヶ岳は、札幌よりかなり厳しい気候であるにも関わらず、次世代省エネの地域区分は甲府と同等という、異常なエリアでして、建設関係者内でも気密・断熱に対する考え方が非常に遅れている様に感じています。
建築関係者で、自社が建てている建物の性能を、キチンと数値で言えるところがどれだけあるでしょうか。数年前までは、Q値・C値で性能を表現していましたが、現在は断熱性能をUa値で表します。
あるお客様が、他社で建物のUa値がどのくらいか訊いたところ、『あー、Ua値の計算は非常に面倒で、費用が数万円かかるんですよ。大丈夫、ウチの建物は暖かいですよ!! 寒さでクレームなんて一件もありませんよ!!』なんて返事だったそうです。大型の薪ストーブ焚けば、言い方悪いですけど、掘っ立て小屋でも暖かくなります。Ua値の計算は、外注すれば数万円かかりますが、そんなに面倒な物ではありません。オルケアでは30分もらえば、計算できてしまいます。もう、こんな感覚で建築されたらたまったものではありません。
さて、気密に関しては、信じられないことに現在の次世代省エネでは、目標基準が無くなりました。これは、断熱は設計スペックで決まる物の、気密に関しては現場での施工制度が数値に大きく影響するために、大手メーカーなどでは批准できないとの声も出て、無くなったと言われています。
しかーし、建物性能では気密性能が非常に重要です。オルケアの事務所は、全面吹き抜けになっており、2階と完全に空間が一緒になっています。しかも、床はコンクリートの土間。条件は最悪です。普通の建物なら、床が冷えまくって足下が寒くて仕方ない家になっています。でも、気密性能がC=0.5前後をキープしているオルケアの建物では、このような空間でも足下が冷えることはありません。2階とも温度差は殆どありません。温度計を置くと1度とか0.5度くらい差が出ることがありますが、2階がモワッと熱が溜まっている様なことはありません。北海道で一般的に言われているのはC=1.0を切れば、足下が寒いって事は殆ど無い…ということです。
さらにもう一つ、気密性能が重要なのは結露事故の問題です。断熱が良くなれば、内外の温度差が大きくなり、内外で空気の流動があったり、冷たい空気と暖かい空気が何かを挟んで触れあうことがあれば、即結露に結びつきます。この結露の可能性を計るためにも、気密性能は重要です。
断熱が無く、内外の温度差が少ない建物であれば、気密性能は重要ではありません。昨今、中途半端な断熱による結露事故の物件を目の当たりにすることが増えました。断熱材は入れれば良い物ではありません。キチンとした気密確保、かつ理論的に考え抜かれた工法に則らないと、非常に危険です。これには、キチンとした知識と経験が必要です。北海道ではB.I.S. 断熱施工技術者という資格があり、設計士より重要…なんて言われるほどの資格があります。
最後に、気密性能が重要なファクターである物がもう一つあります。24時間換気です。
現在、資料を閲覧できないのが残念ですが、北海道にある大型試験施設『北方建築総合研究所』で気密性能と24時間換気の換気効率を試験した事がありました。結果は設計通りの換気を行うにはC=1.0以下が必要という衝撃的な内容でした。
これは、気密性能が低いと、漏気によって設定された給気口から空気が入らず、十分な換気が行われていないということが解ったのです。
海外では、この事がかねてより大きくクローズアップされていて、スウェーデンではC=2.0以下が義務、カナダのR-2000という住宅基準ではC=1.0以下となっています。
平成25年までの次世代省エネ基準で本州の気密水準はC=5.0以下でした。これではお話になりません。
オルケアでは、断熱に関しても『妥協しない』という方針で、性能を徹底追求しています。殆どの建物で、北海道での次世代基準をクリアしています。ご要望に応じて、北海道の次世代基準の倍以上の性能まで上げることも可能になりました。
気密に関しては、全棟で2回測定を行っています。建物が上棟し断熱工事が完了した時点と、お引き渡し前の2回です。殆どの建物で、C=0.5以下を出しています。
これだけの性能をキチンと出している会社は、八ヶ岳エリアでは他に無いと思います。唯一無二の高性能をご提案します。