具体的な品質基準

八ヶ岳での建築は基礎と構造で決まる。

オルケアは地盤にこだわります。

地盤調査は何のために行うのでしょうか?


地盤調査

それは地震や地盤沈下等から建物を守るために正しく基礎設計を行うには必須の情報だからです。いくら地上部分の建物が構造計算に裏付けされた設計で、選び抜かれた材料と、名人級の職人によって計画されても、建設予定地の地盤が軟弱では安全性からは程遠い建物になってしまいます。強い地盤と緊結された強い基礎、強い基礎に緊結された木造の上物があって初めて強い建物となります。適切な建築設計と施工のための最初のステップとして、地盤情報を把握するために地盤調査があります。

ですから、土地の実力を知るという意味で、本来は土地探しの段階で知っておくべき情報です。私たちが土地探しのお手伝いをする時には、本当に気に入った土地が見つかれば売主又は仲介者に土地の地耐力調査を買主が買主の費用で行ないたいと交渉しています。家を建てるために土地を購入するのに、家を建てる際の家の重さに耐える土地なのか、地盤改良をしなければならないほど軟弱な土地なのか、あるいは基礎を深くしないと家の重さを支えるだけの地盤に到達しない土地なのか、コスト面からも把握するのが当然だと思うからです。

地盤調査とは、建物の重さに耐える土地の反発力(地耐力)がどれだけあるのかを推測するものです。この調査の過程で地層の土質、伏流水など地面の中の湿気の状態などもある程度推測可能になります。本格的な地盤調査ではボーリングを行い、1メートル毎の地層サンプルを採取し、分析する必要がありますが、これには百万円単位の予算を必要としますので、マンションや大型施設や大型土木工事では行うものの、一般住宅ではスウェーデンサウンディング方式による簡便な調査方法が一般的であり普及している調査方法です。

この調査は現在建物の瑕疵担保履行法という法律で義務付けられていますが、20年前には地盤調査をしていない状態でした。基礎が始まった際に、基礎屋さんから『あー赤土が出てきたから安心だよ』とか『黒土が続くのでで、砕石をしっかり転圧しておいたよ』といった報告で安心して次の工事工程に進んでいったケースも多いと思います。実はこの段階に現場の経験や勘だけに頼る問題点が潜んでいたのです。現在でも、ととえ地盤調査はしても、その調査報告書を渡されて、説明を受けたでしょうか?一般の方には地盤調査結果の読み方もわからない為に、工務店や設計事務所から『安心してください。良い地盤でした。』で終わっていませんか?

地盤調査の具体例

まずスウェーデンサウンディング方式による地盤調査とは、大まかな説明ですが、バーベルの鉄の棒のようなものを予め決めておいた調査ポイントの地面に垂直に立てて、
それに重みを加えながらどこまで沈み込むかを読み取ります。その際に、その鉄棒を回転させ更に重みを加えながら地中深く差していきます。最後のその鉄棒についた土の形跡を見て、粘性土か礫層(砂砂利混じりの地層)等を判断します。ボーリングと比べて簡易な方法であることがお分かり頂けると思います。

調査のポイントは、例えば長方形の家を建てる場合、四隅と建物の中心点の5点位が必要でしょう。土地購入の前に行う調査でも最低3ポイント位は調査したほうが良いと思います。因みに調査費用は相場が3万から5万位だと思います。オルケアでは5ポイントで平成28年現在、約3万円で調査及び調査会社の評価とオルケアの評価を加えてお出ししています。

さて、調査結果はサンプル例のAとBにあるような形で上がってきます。両方とも北杜市のある敷地の実際の調査結果ですが、Aは良い地盤、Bは悪い地盤でした。調査結果は地面から25センチ毎の深さ別で表されています。㎡あたり何キロニュートン(KN/㎡)の地反力があったかを数値で表しています。その間に、スルスルとかガリガリとか、その時の係員の感覚で表現されています。これは非常に主観的ですが、専門家にとってはこうした感覚表現も役に立っています。

この数値で大切なのが、1㎡当たり30KN(キロニュートン)以上あるかという結果です。一般木造住宅で総2階建て、屋根も重い瓦屋根、家の中にはグランドピアノ、蔵書の多い家だとしても、1㎡当たり18KN位です。これに安全率を掛けて一般的には2.2KN程度が実際の建物の重さになります。設計上は更に安全率をとって30KNをもって、地反力が十分にあると判断しています。しかし、安心は未だ出来ません。一旦30KN有ったとしても、それが2メートル以上連続してあることが条件となります。

これが基本的な家を建てる際の地盤の見方です。では、ここから応用問題です。その30KNがなかった場合はどうするのでしょうか?

一般的には大きく分けて基礎形状を変えるか地盤を変えるかの二つの方法があります。基礎形状を変えるには更に2つの方法あります。一つは基礎の深さをどんどん伸ばし、30KN以上ある地層迄掘り下げる方法。しかし、2メートル以上の基礎の高さになると配筋をダブルにする等、コストが上がり又施工性も悪くなります。もう一つは『ベタ基礎』にする方法です。ベタ基礎であれば、20KNの地盤でも施工可能です。しかし、ベタ基礎にすることにより、基礎の重さが非常に増えて地盤に与える負荷がとても大きく良いことではありません。更にベタ基礎底部と立ち上がり部分のコンクリ打設のつなぎ目から地中の水が入る可能性も高く、防水性能の面からもオルケアではやむを得ない時以外は避けるようにしています。もう一つの方法が地盤改良です。最近傾いたマンションの地盤改良で杭の長さが不足していたというニュースを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、地盤改良にはその下の地盤を掘って杭を入れたり、砕石を入れたり、土とセメントを混ぜて硬い柱状の地盤補強を施したりする『柱状』改良工事と、弱い地盤全面をセメントなどを混ぜて全体の土を作り直す『地盤』改良工事の二種類があります。オルケアでは、周辺の土地への影響等を勘案して、柱状改良工事を選択しています。

まとめ

長々とご説明させて頂きましたが、再度整理しますと、地盤に関する重要な点は以下の3点です。

  • 1. 土地の購入前に地盤調査をするのが理想的。
  • 2. 建物の配置が決まったら、地盤の調査結果を踏まえた基礎の構造計算を行い基礎設計をする。
  • 3. 調査によるデータだけで一気に基礎工事を進めずに、床掘り(基礎の一番下が接する地盤面まで掘った)状態で

十分な地耐力が本当に出ているのか、複数の経験のある専門家が目視による土質の確認を行う。

オルケアは基礎にこだわります。

「基礎は建物の基礎中の基礎です!」

オルケアの基礎で特徴的なのが、基礎の構造計算を行っていることです。

基礎工事の様子

建物の構造計算と連動して、基礎の構造計算があってこそ、基礎も上物も設計が成り立ちます。基礎部分は設計及び施工の仕方で工事コストが大幅に違って来ます。基礎工事の仕方でコストが変わる部分を幾つかご紹介します。

(設計での違い)

竣工後に床下での配管メンテナンスやチェックを可能にする為に、基礎の中を行き来出来る為の基礎の開口部=人通口がありますが、この人通口により言ってみれば基礎に人が通れるような穴が開くわけで、この穴が基礎の強度に影響を及ぼさないか計算して、地中梁を入れたり斜めの補強用の鉄筋を入れる等しています。

(施工上の違い)

基礎と外部の配管との取り合いは、基礎が出来てから大型のドリルで穴を開けると、配筋を切断するおそれもある為、配管用の穴はスリーブという管を輪切りにしたものを基礎の鉄筋の間に設置します。この時も管の周りにクラックが来るのを避けるために補強筋をいれます。

(管理上の違い)

配筋用の鉄筋で、『ノンJIS』と通称呼ばれるJIS規格外の鉄筋が規格品より安く手に入ります。この鉄筋は見た目にはわかりにくいので、一般の施主さんには判断出来ません。その為に、使用した鉄筋のミルシート(工場出荷段階での伝票)の提出を基礎屋さんに義務付けています。又、八ヶ岳は寒い地域ですので、コンクリートの水分の割合を月別で指示しています。水分が多い方が粘度もゆるく仕事がやり易いのですが、季節によってはNGとなります。これを防ぐ為に、生コンの出荷データも当日、現場で確認管理しています。更に夕方近くにはコンクリ内部の水が凍りやすくなる為に、この出荷データを元に最終打ち込み時間を厳しく管理しています。

オルケアでは布基礎を標準としいます。ベタ基礎は長所も短所もあるために特別の場合のみとしています。布基礎ではあっても、ベタ基礎のような建物内部を全面、防湿コンクリートで打設しています。又、基礎内の通気・換気の為の換気口は設けず、配管以外は密閉タイプで設計しています。更に、基礎に関する断熱は外部のスタイロ貼りはシロアリの蟻道となる可能性が高いため、基礎内部に断熱材を吹き付ける仕様としています。尚、ベタ基礎の長短を含めて、基礎の設計基準に関しては、本HPの『住まいの学校・基礎編』で一般解として詳しく説明していますので、そちらを参考にしてください。

オルケアは構造計算にこだわります。

『全棟構造計算』が原則

八ヶ岳の各地を巡回していると、新しく出来た格好の良い家を見かけます。デザインのディテールに拘っていて、見ていて気持ちが良いものです。しかし同時に『これって本格的な構造計算をして成立しているのかな?』とも思います。『大胆な開口部と構造的な強さを担保させる』ことを目指しているため、意匠と構造のそれぞれの専門家が納得するまでがっぷりよつの協議を行っています。そのため、オルケアでは平屋であっても、全棟構造計算を原則としています。しかし、地震は地球の一部がタテ・ヨコ・ナナメとあらゆる方向に引っ張られたり収縮したりするということです。その時に建物が水平・垂直・斜めに引き抜かれ、建物自らの重みで押し潰される際の強度を読み解く必要があります。残念なことに、我々日本人はごく短い間に、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震を経験しました。崩壊した建物が火事や水害で検証しづらくなった二つの震災に比べて、熊本地震は倒壊した建物がそのままの形で残っているために、現在多くの分析報告がなされています。日経ホームビルダーの最近の特集を見ていても、『筋交い工法』の弱さと、設計士が構造的に大丈夫だと判断すれば、大丈夫と見做す『四号特例』の見直しが浮上してきています。壁量が十分にあるかどうかだけを無料構造ソフトで検討するレベルでは安心出来る耐震性能とは言えません。更に、お引渡し後にお渡しする構造計算書は、例えば何らかの理由で将来の売却時に、建物の検証データとしてお役に立つと思います。

オルケアは冬暖かな家にこだわります。

「2020年の省エネルギー住宅義務化にむけて準備は既に整っています。」

低炭素社会の創出という国際公約を前提に、日本のエネルギー消費の1/3を占める民生部門の中でも大きな割合を占める住宅は施主の好むと好まざるとにかかわらず『省エネ住宅』以外は原則建てられない時代が目の前まで来ています。本格的かつ全面的な実施は2020年で現在は猶予期間すが、既に用途別で省エネ住宅の建築は始まっています。ご自分の住宅計画に直接関わる省エネ住宅を理解するには、かなり専門的な知識が必要ですが、概要は以下のようになります。

断熱吹き付けを終えた屋根

省エネ住宅の概要

2020年以降に建てることが許される家は、断熱性能に優れていて、省エネ型の設備機器を搭載しなければなりません。そうした家として設計されているのかを判断するために、家の断熱性能と使う設備の省エネ性能と太陽光発電などの発電性能を見ます。

  • 1. 建物が外気と触れる全ての面の面積を外皮面積として、その面積当たりの断熱性能を数値化して表記し、
  • 2. 計画する住宅設備が消費する一次エネルギー消費量(冷暖房・換気・照明・給湯等の消費エネルギー量)と
  • 3. 太陽光パネルのような再生可能エネルギー発電機の有無や規模を数値評価します。

しかし、この計算が難しく、大手のハウスメーカーは既に準備万端ですが、八ヶ岳の地元工務店や設計事務所は現在は猶予期間として従来通りの建て方を続けていますが、2020年には誰に頼ってその計算を行い、建築の申請を行うか、不安定な要素が官製不況を起こすのではとも危惧されています。オルケアでは予てより建築する家の断熱性能をQ値と言う単位で計算したり、断熱と表裏の関係にある気密性能を表すC値を測定して、オルケアとしての省エネ住宅化を進めて来ました。今回の省エネ住宅からは建物の気密性能を表すC値が除外されています。しかし、断熱性能と表裏一体の関係にある気密性能は現場で測定するしか今のところ方法がなく、全国展開するうハウスメーカーでは、逆にこれを評価の要素とすると手間取るので行政も除外したのかなとうがった見方まで出ているようです。いくら設計上、計算値として優れた省エネ住宅であっても、最後の職人さん達の意識が薄ければ、十分な性能が引き出せません。幸いな事に毎年の研修会や、上棟後とお引渡し前に行っている気密測定は職人さん達、特に大工さんの意識向上につながっています。尚、オルケアは北杜市を含む八ヶ岳全域を省エネ上の環境区分として一番寒い『1地域(北海道全域)』として計算しています。

*省エネの地域区分では、日本全体を8つの地域に分類しており、一番温かい沖縄が8地域。北杜市は、3地域と4地域に分かれています。