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八ヶ岳の土地探し:土地の形状、基礎工事、庭 その2

八ヶ岳での土地探し:4組のお客様達の事例をご紹介

八ヶ岳の土地の風景

土地探し、3組目のお客様のCさんの土地条件は「平坦地」、「家庭菜園」に対する考察。ポイントは「平らな土地」、「地盤」、「傾斜」、「基礎」、「庭」。こちらを踏まえてお読みください。

Cさんの土地条件『平坦地』『家庭菜園』に関する考察2

八ヶ岳の土地「傾斜地」はどうでしょうか?

先述のように、傾斜地の先が変わっていこうとも、あまり景色が変わらないと言うメリットはありますが、反面、建築物と土地が一体化するような庭造り(ランドスケープ)は工夫が必要になります。

庭にブッシュや中低木の花木を入れて、上段から中段、下段へと休憩地をポイントに入れながらうねらせた散策路を設けたり、建築物自体をスキップフロアーにして傾斜と共にレベルを下げたり、その反対に、傾斜に対して水平にデッキを延ばして浮遊感を演出したり。。。八ヶ岳で傾斜地は作ろうと思って作れるものではないので、建築物や庭造りへの明快な暮らし・コンセプト・アイデアを豊かにしてそこにしかできない風景作りを楽しみましょう。

傾斜地での落とし穴「崖」

八ヶ岳の傾斜地に建築されている別荘・住宅もまだまだある。

ここからは傾斜地での法律上の大きな落とし穴について是非触れておこうと思います。それは「崖(がけ)条例」です。八ヶ岳では崖条例違反ではないかと思われる別荘や建築構造物が多いのです。「崖(がけ)」って聞くと大きな落差のある所を想い浮かべると思いますし、崖条例と言う言葉自体初耳という方も多いと思います。

県によって表現が異なることがあるようですが、一般的に傾斜角が30度以上でかつ高低差が2メートル以上の硬岩盤以外は崖に相当します。崖に該当する所の側で家を建築する場合は、崖上では高さの1.5倍以上の後退距離や、崖下では高さの2倍以上の後退距離や、或いは崖崩れに堪える擁壁又はコンクリ造の家を作るなどの制約があります。

巨石積みの高さが2メートル以上あるところは、崖条例を無視又は無知でそのまま施工した可能性が高いので、敷地のみならず隣地や接続道路など再確認が必要です。既に建築されている家や別荘では再販価値が著しく下がったり、購入した後に希望の家や別荘が建築できず八ヶ岳の暮らしが思うようにいかなくなることも考えて下さい。

傾斜地でまだまだ確認項目!「基礎」と「凍結深度」

八ヶ岳では岩も動かす霜柱。建築会社がどこまで凍結深度・コスト面までも考えているか

傾斜地に関しては未だ確認すべき事が多くあります。傾斜地に家や別荘を建築する場合は、地面の上の基礎の高さに加えて凍結深度より深くに基礎を入れる必要があります。私が27年前八ヶ岳に土地を購入したさい、庭には高さも幅も約2メートル位の岩がありました。どうしたものかと考えている頃、地元の方から『霜が上がるとこの石も動くよ』と言われ、『そんなばかな』と思いましたが、年を越して春を迎えると石の位置が確かに少しずれているのに気がつきました。その時初めて、水が凍ってジャッキの役目をすると巨石でも動くんだと言う事を身をもって学ぶことが出来ました。

傾斜地の基礎は割高になりますが、それは見た目の高さに加えて、八ヶ岳の凍結深度より深く入った基礎の高さも加えると、それこそ鉄筋コンクリートマンションに1階分位にはなってしまうわけです。そこで皆さん考えるのが、『この基礎の中を部屋に使わないのは勿体ない。傾斜の一番ある側に出入りのドアを付けて、庭いじりの道具等をしまおうじゃないか』となる訳です。それは家の階数を一つ増やす結果にもなり、更に木造の家の下にコンクリート造の地下室を作る事にもなるため、異なった構造の建築物の組合せと見なされる可能性が高いのです。

八ヶ岳では確認申請手続きの不要な地域が多いため、建築後の検査もなく、ご本人も知らないまま、違法な家や別荘が沢山建築されている事が考えられます。折角購入したお気に入りの土地でも、コスト面で重荷になる可能性があることを注意して下さい。

土地条件「庭」「家庭菜園」の注意点で一言、「鳥獣害」

八ヶ岳で頻繁に見かけるようになった「鳥獣害」の代表「鹿たち」

庭に関しても一言付け加えておきます。庭造りに関しては又別の機会でお話しさせて頂きますが、今回は庭や家庭菜園に興味のある方の土地探しでの基本情報です。八ヶ岳では最近、鳥獣害が多く出ています。建物で一番やっかいなのがキツツキですが、庭造りや家庭菜園での一番の困りものは鹿の害です。

人間に危害を加えることはないのですが、鹿にとっては天敵が殆どいない今の八ヶ岳は天国でしょう。記念に植えた樹の樹皮をむしり取って食べたり、枝を折ってその先の葉や花を食べたり、やっと芽が出て来た野菜を全て食べてしまったり。。。鳥獣害の状況を不動産屋さんや近隣の方に確認するのも庭好きの方には重要調査項目となります。