第6回

防水について

〜 後からではもう遅い 〜

今までに何度も書いてきていますが、建築基準法の目的は「・・・生命と財産を守る・・・」と、なっています。一般の人にとって最も高い財産は自分の住まいでしょう。その財産を守ることは当然のことと言えます。

一般の人にとって最も高い財産は自分の住まいでしょう。その財産を守ることは当然のことと言えます。

また、古くから言われている住まいに関する表現として「雨露をしのぐ」という言葉からも、人間の生活にとって雨から身を守ることが大切な事なのは云うに及びません。
今時の住まいで雨露をしのげない建物はない筈です。しかし、もっとも建物にとって厄介なことは目に見えない少量の雨漏りです。

雨降り

台風の多い日本においては、雨は上から降るものとは限りません。特に台風銀座と呼ばれる沖縄方面においては、雨は下から降るものだそうです。

これまでの建築業界においては、雨漏りは良くないことで有りますが、台風によるものは仕方が無いものとされてきました。しかし、平成12年の品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律) の施行により雨漏りは構造と同じように10年間の保障となりました。 今まで述べてきましたように、最近の建物は構造や断熱方法、デザインなどが複雑になり雨漏りの発見が難しくなっています。昔の建物は断熱材が入っておらず、柱や梁などの構造が露出している為に構造材が濡れても時間と共に乾きました。その為に、神社や仏閣などは何百年もの長い間建っています。

雨漏りはどのような問題を招くのでしょうか?

今の建物は住み心地を良くするために断熱材を入れていますし、気密性を高める為に構造材には両面から面材を張り中に入った水分が外に抜けなくなっています。
その為に、長い間雨漏りが続きますと、雨の通り道や、溜まり場所では腐朽菌が発生し建物を腐らせてしまいます。私がこれまでに調査しました建物においても、倒壊寸前まで腐った建物も見てきましたが、住んでいる人には倒壊しそうなほど腐りが進行しているとは気が付いていませんでした。雨漏りの怖いのは、音もなく静かに確実に建物に被害を広げます。そういう意味では平常時における建物への影響としましては最も怖いことの一つです。

屋根は全面防水しています。
外壁も全面防水しています。
スノコ敷きで無いバルコニーも防水しています。

このように聞きますと建物の外周はすべて防水していると思われるでしょうが、実は屋根と外壁の間にある破風や軒天は如何でしょう? この部分は全く防水していません。

雨は上から降るものだから屋根と外壁の間にある破風には雨はたまに当たっても軒の出があるために雨は建物の中にまで入りません。
軒天は下向きの部分なので雨は入りません。

と、なっています。
確かに、昔の日本家屋のように軒の出の大きい建物は心配有りませんが、最近ではデザイン性や敷地状況などにより軒の出が少ない建物が多くなっています。
また、急勾配の屋根や、複雑な屋根形状により防水施工が中途半端になっている建物も多く存在しています。そのような状態は素人で判断することはとても出来ませんので、依頼した建築屋さんの監督さんがきちんと管理していてもらわなくてはなりません。

また、最近は防水に関する注意を促す意味で防水のマニュアルを各団体で配布をして正しい防水方法の知識を広めています。しかし、私が見る限りにおいては、ここ八ヶ岳地域で建築されている建物では防水の不備なものが多く存在しています。

おそらく何が正しい施工で有るかが理解されていないからだと思います。

どんなに素敵な建物も一滴の雨漏りで無駄に成る事もあるのだとご注意ください。




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