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近年のサッシ事情

この1~2年で大きくサッシ市場が変わってきました。住宅の基準もC値Q値ではなくなり、外皮計算による物へ移行し始めています。これが、サッシの性能一発で影響が大きいのです。そんなわけで、高性能サッシが色々出てきましたし、ペアガラスサッシも、樹脂スペーサー仕様などが出てきて、少しずつではありますが、着実に性能は良くなっています。

良く皆さんが勘違いをしているのは『木製サッシは断熱が良い』と言う事。これは、現在の状況をしっかり見ると、間違っている事が解ります。確かに、結露は出にくいと思いますが、断熱性能を見ますと、そうも言ってられないのです。
現在、LIXILやYKKが高性能サッシとして売り込みを掛けているのは『サーモスⅡ-H』や『APW330』あたりとなります。樹脂スペーサー仕様で、断熱性能を表す熱貫流値は1.5前後まで上がっています。これは、ちょっと前の単純な木製3重ガラスサッシと同じくらいの性能です。ペアガラスでの木製サッシに代表される、北米系のサッシでは1.8前後(物によっては2前後)ですので、樹脂や、アルミと樹脂の複合サッシの方が性能が出る時代になりました。
現在、最先端の木製三重サッシは、熱貫流値が1.0前後ですから、かなり性能が上がっています…がしかーし。八ヶ岳では使い方によると失敗することもあります。ガラスが三枚と言うだけでも、太陽の暖かさはスポイルされるのですが、最先端の物には熱線反射ガラス(いわゆるLOW-E)が入っており、日光の入射が7割以上減衰か反射されて、入らないのです。つまりは、冬の日だまりが暖かくないのです。八ヶ岳では致命的です。冬の日照時間が長いだけに、冬の日だまりは貴重です。

この辺は、設計時に窓の性能を考慮しながら、適材適所が求められます。ただ、単純に断熱性能だけで選んではいかんのです。この辺は、正確な性能把握と、建設される場所の特性等をしっかり勘案し、適切なプランニングが求められます。

余談ではありますが、熱貫流値0.5と言う脅威のサッシを、この春に見てきました。4重ガラスで、外壁より断熱性が高い時もあるようです。熱を逃がしたくないところでは必殺アイテムになりそうです。

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